648 novel

小説の話題など色々

山羊と夢とか

灰色の世界を夢にみて

青の世界を夢にみて

目を醒ませばここに

また冷たい朝日が

越えられない柵

 

山羊は坂道を駆け上がる

目を血走らせて涎たらし

首を左右前後に

草を蹴って苦しく

胸は破れそうで

汚れた毛並み

いままさに

茨の柵に飛び込む

引っかかれた血と

その向こうに

 

灰色の世界とノイズ

薄気味悪い黴だらけの

悪夢のような

いや悪夢ではなく

現実

 

だれもが本当は帰りたい

赦されるまで振り向いてはならない

息の詰まる宇宙空間に

いるんじゃないかって

そういうくだらない

くだらなすぎる妄想は

 

夕立の青い臭いと

吐き気と膝の痛み

夜が煙ってくると

いつもうれしくって

また夢を見たくなって

灰色の世界

青の世界